『レミニセンス』という映画をアマゾンプライム(現在はレンタル)で見ました。
設定は近未来で都市は温暖化による水没と戦争で荒廃し日中は暑くて活動できないため人類は夜行性となっています。1日の始まりが夕方というわけです。
記憶をリアルに追体験できる技術が開発されており、主人公(ニック)はそれを提供する仕事をしています。
現実世界では苦しい体験をしている人が過去の栄光や幸せであった時を求めて、やってきます。
自分の過去の体験で癒されて、また現実に戻っていきます。
ニックは過去体験をするときのガイド役であり、その人の記憶をホログラムとして同時に見ることができます。
ある時、「鍵をなくしたので、記憶をさぐり探したい」と一人の女性(メイ)が現れます。
メイはいかにもニックに気がありそうな態度をとりまくります。ニックは速攻恋に落ちているようです。
ある時、メイが急にいなくなり、ほかの人の記憶を頼りにメイを探していきます。
メイの真実の姿が…というところが見どころです。
設定は単純ですが、現在の映像が過去なのか現在なのか分からなくなります。
過去の話なの?現在の話なの?と頭を使わせてくれます。
潜在意識を改ざんできる『インセプション』
現実と妄想のリアルを描いた『シャッターアイランド』
電気信号だけで生かされている『マトリックス』
意識や記憶を扱った系の映画です。
意識・精神・記憶系の映画は好きです。
人は主観でしか生きられない。
記憶の中でしか生きられない生き物な気がします。
現在はアッという間に過去になり、必要な事だけ記憶されていきます。
現在がつらい時、過去を思い出し気持ちを落ち着けます。
良い記憶・幸せな記憶はメンタル安定装置です。
しかしその逆もあり、つらい記憶は現在を攻撃します。
前に進もうとしても、過去に引き戻していきます。すごい引力です。
この映画で印象的だったのが、過去の記憶のなかで生きる事を選んだ人を否定していないことです。
今を生きろ!とか
過去にこだわるな!と言われます。
しかし人間はそう簡単に記憶をなしにすることはできません。
瞑想をすると過去の記憶がランダムに表れてきます(脈絡がなく面白いです。全く覚えていないことが急に時代を関係なしに思い出されます)。
人間は記憶に生きる霊長類なのかもしれない、と思わせてくれる映画でした。