日々、診療をしていると新たな発見があります。ちょっとした発見は仕事を楽しくしてくれる要素です。
逆流性食道炎の治療薬で制酸剤というカテゴリーがあります。
タケプロンやネキシウム、タケキャブといった薬です。
脳梗塞や心筋梗塞をした方は抗血小板剤(バイアスピリンやプラビクッスなど)を再発予防薬として飲んでおり、胃粘膜障害が起きやすくなるので制酸剤を一緒に飲んでいる方も多いと思います。
制酸剤を長期的に飲むことにはデメリットもあると思います。胃酸を抑えるため消化吸収への影響が心配されます。
私はなるべく薬は少なくしたいと考えており、年末に患者さんの減薬に取り組みました。
その中で止めなければよかったと後悔したのがこの制酸剤でした。
なぜ後悔したかというと、制酸剤をやめてしゃっくりが止まらなくなった方がいたからです。
だいたい制酸剤を中止して2週間ほどしてからしゃっくりが止まらなくなりました。
しゃっくりは体力を使うために食欲が落ちることがあります。
立て続けに2人経験し、制酸剤を再開しました(ネキシウムとタケキャブ)。
するとしゃっくりが止まったのです。
たまたまということもありますので断定には注意が必要です。
ここから学んだことは不用意に薬はやめてはいけないという事です。
ただ、同時期に制酸剤を中止した人は10人ほどいました。
その中で2人にしゃっくりがとまらないという事が起きました。
今回はしゃっくり程度で事なきを得ましたが、生命にかかわる事もあるので減薬は慎重にしないといけないなと思います。
患者さんはいろいろな事を教えてくれます。