104冊目は西智弘さん編著 「社会的処方」です。
おそらく医療・介護にかかわっていない人には初めて聞く言葉ではないかと思います
ただ、医療関係者でも知らない人がほとんどだと思います。
私が知ったのも1年ほど前です。
処方ときくと、薬を思い浮かべる方が多いと思いますが
ここで処方するのは「社会資源」です。
目的は「孤立」を防ぐためです。
なぜ、孤立がよくないのか?
医療機関で治療できる事は、病気だけです。
病気を引き起こした原因を治療することはしていません。
その原因の多くに「孤立」があるのです。
私たち医療者が薬と一緒に、「社会資源」を処方する。
糖尿病や依存症、うつ病、不安症・・・
様々な病気がなぜ起こったのか。
一時的によくなっても、また悪化させないためにはどうするべきか。
その一つの方法として紹介されています。
現場の実感としてもあります。
救急搬送されてくる人の属性(特徴)が5年前と明らかに変化しています。
家で一人で倒れていた(身内がいない)
身内はいるが褥瘡だらけ
何日もご飯をまともに食べていなくて衰弱していよいよ救急車
など、貧困と孤立(他人に支援を求めることができない)している人の
救急搬送が増えているのです。
イギリスでは孤立の解消を国レベルで取り組むようになりました。
社会資源というとなにか大きなものを想像してしまいますが
「地域での様々な取り組み」と言い換えることができるかもしれません。
それをつなげてくれるキーパーソンや組織が今後必要となってくるでしょう。
自分には何ができるのか考えてみました。
まず、社会資源そのものを全く知りません。
この本をきっかけに、アンテナを立てていこうと思います。