漢方医の日記

平凡な毎日をいかに楽しく過ごすか。本の紹介を中心に、学び・健康・東洋医学・ライフスタイルなど色々。漢方大好きおじさんのブログ。

ナースコール❣

80冊目は川上途行さん著 「ナースコール!」です。

 

 

現役医師が書いています。

専門はリハビリ専門医です。

 

時:現在

場所:埼玉県蓮田市 リハビリテーション病院

主人公:ナース2年目の南玲子、リハビリ医の小塚太一

脇役:理学療法士 朱里(あかり)、患者(脳出血後遺症で片麻痺)、患者(脊髄損傷で半身不随)

読後感:ほっこり 明るい

 

「自分が何のためにリハビリ病棟の看護師をしているか」という自問から始まります。

様々な職種と患者、リハビリ医の小塚太一との交流を通して、南玲子は自分なりの答えを見つけていきます。

 

南玲子だけではなく、小塚太一や患者もお互い影響を受けながら成長をしていきます。

 

リハビリ病院という、特殊な環境を舞台にしています。

 

日本の病院はほとんどが急性期病院です。

一般的な人が「病院」といっているのは急性期病院です。

 

リハビリ病院は急性期病院よりもリハビリがたくさんできます。

リハビリをする人(セラピストといいます)の数が急性期病院よりも多いからです。

 

急性期病院は病気の治療をするところであり、実はリハビリには向いていません。

(リハビリはもちろん行いますが、リハビリ量・質ともにリハビリ病院にはかないません)

多くの患者さんとその家族はそのことを知りません。

 

現在の医療界は機能分化といって、

病院それぞれが機能分担をしましょうということになっています。

 

患者さんは「転院」をしないといけないので、めんどくさいというデメリットはあります。

 

しかし、適材適所で治療を行うことが本人にとっては一番いいと思います。

 

リハビリ病院は時間経過がゆっくりです。

 

患者のリハビリをする意味はどういうことなのか?

非常に深く突き詰めて、書かれています。

 

重たい話ばかりではなく

恋とはこういうものではないか?という場面もあり

作者が物事を突き詰めて、考える性格なんだなと思いました。

 

とてもリアルな現場描写なので、知らない世界を覗きたい人にも読んでもらいたいです。