68冊目は傳田光洋さんの「第三の脳」です。
第一の脳は「脳」で
第二の脳は「腸」と言われています。
著者は「皮膚」も脳であるといいます。
脳であるというのは「自ら考える」ということです。
皮膚の事もわかっているようでわかっていません。
外の世界から人体を守るバリアであることは理解できるとおもいます。
そのほかにも免疫機能や精神調整機能も持っています。
電気を帯びており、電波を発しています。
東洋医学では皮膚の表面に「衛気」という気が充満していると考えられています。
皮膚は体表側から角層→表皮→真皮となっていますが、角層側がマイナス10ミリボルトの電位を持っています。
表皮の中をマグネシウムイオンやカルシウムイオンが流れているためです。
「気」はエネルギーと言い換えられます。
エネルギーは電気でもあります。
電気という言葉に「気」が入っています。
私はこの本を読み、「衛気」は皮膚の表面の電気の事を言っているのではないかと思いました。
皮膚の表面の表皮はケラチノサイトという細胞でできています。
ケラチノサイトの中をこれらのイオンが流れているわけです。
著者はこのケラチノサイトが自律性を持っていると主張しています。
自律性を持っているということは「考えて、行動する」という事です。
考えるためには「外からの刺激」が必要です。
表皮の目線で「外側」を定義すると、空気がある側も外ですし、体の内部(表皮よりも人体の深いところ)も外です。
例えば、心(喜びや怒り、イライラ)の状態に応じて、表皮は反応するわけです。
表皮は「たくさん細胞を作ろう!」とか「細胞作るの控えよう!」と判断しているという事です。
ここには頭の中にある「脳」の判断を必要としていません。
東洋医学でも応用できる考えだとおもいました。
鍼灸は皮膚へ外部刺激を与えて、身体や心に変化を起こさせる技術だからです。
まだまだ未知の臓器 「皮膚」。
なぜ皮膚の膚の字の中に「胃」が入っているのでしょう。
食欲と関係があるのでしょうか?
いろいろと想像力を駆り立てられます。
いろいろ気づきを与えてくれた著者に感謝です。