東洋医学に気血水という概念があります。
本家の中国よりもむしろ日本でよく使われる概念です。
江戸時代中期頃から、概念が確立していきました。
この中で「気」という概念が非常に難しいです。
いろいろな人がいろいろな事を言います。
私は臨床家ですので、あくまでも臨床をしていて感じる「気」の概念について考えてみたいと思います。
臨床家は科学的である必要はあります。
だからこそ科学的ではない事にも目を向けないといけません。
直観と経験で見える時があるのです。
これは科学的ではありません。
イメージや芸術の域かもしれません。
東洋医学は西洋医学に比べて直観・五感・経験で治療していく側面が強く
分かりにくいという負の側面があります。
気の概念こそ、最たるものかもしれません。
私が考える気の概念は「血流」です。
血液を流す力といってもいいかもしれません。
血や水があっても、動かす力がなければ死んでいます。
気虚は気が足りない状態です。
私は血を流す力が足りないのではないかと考えています
気滞は気が滞っている状態です。
私は血流がゆっくりとなっている状態ではないかと考えます。
気逆はちょっと難しいですが、気が「上から下」に流れず「下から上」に流れる事を言います。
血流が逆流するとは考えにくいです。
私は流れるべきところに流れていない状態ではないかと思います。特に首から上に血液が流れやすくなった状態ではないかと考えます。
血流を大きく変える要素はなんでしょうか。
自律神経が大きな役割を担います。
自律神経は自分でコントロールができないといわれますが、できます。
「気」に働く漢方薬はこの自律神経をいじくり、血を流す力を変えていると今のとこと考えています。
1年前にはこういった考えはは思いつきませんでした。
1年後には違う考えになっているかもしれません。
それでもいいと思っています。
こうやって患者さんを治療しながら体の不思議について考えることが大好きです。