33冊目は山崎光夫さん著、新潮新書出版、「戦国武将の養生訓」です。
山崎光夫さんは医師ではありませんが、医療分野の小説を多く書いています。
曲直瀬道三は室町末期から戦国時代を生きた医者です。
実力主義の時代にあって、武士だけでなく医師も実力で認められる時代でした。
曲直瀬道三は戦国時代の実力・名声・教育ともにトップです。
戦国武将といえども病に苦しみます。
「死ぬか生きるか」「裏切りにあうのではないか」と精神的ストレスは今以上であったでしょう。
まず健康あっての戦です。
また心が乱れては部下は統率できず、あっという間にやられます。
曲直瀬道三は様々な戦国武将や天皇から診察を依頼されます。
「実力ある医師」を時代は必要としていました。
そんな曲直瀬道三が毛利輝元へ送った120首の俳諧「養生俳諧」と
松永久秀へ送った性の指南書「黄素妙論」の解説です。
人の三大欲求は食欲・性欲・睡眠欲です。これらをいかに欲任せにせず上手にコントロールするかといったことが中心に書かれています。
57577というリズムに乗せて。人に伝えるにはアートが必要と思います。
曲直瀬道三は当時流行していた俳諧を使い、自分の伝えたい事を伝えました。
アーティストの側面もあったのです。
貝原益軒の「養生訓」も有名ですが、曲直瀬道三の「養生俳諧」も是非ご覧ください。