漢方医の日記

平凡な毎日をいかに楽しく過ごすか。本の紹介を中心に、学び・健康・東洋医学・ライフスタイルなど色々。漢方大好きおじさんのブログ。

曲直瀬道三 乱世を癒す人

26冊目は山崎光夫さん著、東洋経済出版「曲直瀬道三 乱世を癒す人」です。

 

小説 曲直瀬道三 乱世を医やす人

小説 曲直瀬道三 乱世を医やす人

 

 

600ページと長編小説です。

曲直瀬道三は戦国時代に生きた医者です。

織田信長豊臣秀吉徳川家康毛利元就、足利将軍など名だたる武将達を診察・治療しています。

主治医にはならず、市井の人も分け隔てなく診察しています。

本邦初の民間医学校を作っています。

曲直瀬道三の師である、田代三喜がすばらしい診察・治療能力をもっていたにもかかわらず教育には携わらなかったため、その技術の伝承を途切れかけました。

曲直瀬道三は田代三喜から医学校を作るように言われます。

 

治療は漢方と鍼です。

後半は信長との交流を書いています。信長は「うつけもの(あほ)」と呼ばれていました。道三は往診をたびたび頼まれます。

天下布武」が目標であるという信長。その意味は矛(剣)を止めるためだと説明します。

信長は乱世を終わらせたかったのです。

道三は信長を支援し、乱世を終わらせる手伝いをしたいと考えるようになります。

医者として国を治したいと考えます。

 

このような人物(実在)がいたという事はおそらくほとんどの人が知らないのではないかと思います。

私も東洋医学を学ぶまでは、知りませんでした。

医者としての態度も見習うべき所が多く、自己反省をしながら読みました。