97冊目はアインシュタイン、フロイトの「ひとはなぜ戦争をするのか」です。
物理学の巨匠のアインシュタインがもっとも知りたかった事が
「なぜ戦争がなくならないか」です。
その答えを求めたのが精神学の巨匠フロイトです。
20世紀最大の発見※をした2人の巨匠が「戦争」をどう考えていたのか。
※ フロイトは潜在意識
こんなわくわくする本はありません。
二人ともユダヤ人であり、ナチスドイツが台頭してきたときにアインシュタインはアメリカに亡命し、フロイトはイギリスへ亡命しています。
このように国家を持たない二人が、国家間の戦争を論じるというのはある意味二人にしかできないのかもしれません。
アインシュタインは戦争がなくらない理由は人間の心理にあるのではないか?と考え
質問の相手をフロイトにしました。
フロイトは答えます。
人間には生(再生)の欲動と死(破壊)の欲動があるためだと答えます。
人間というより、生物全般に対して2つの欲動があるというのです。
戦争は自然界の掟に即しており、生物的なレベルでは健全であり、現実には避けがたいものである!と。
ここで終わりではありません。
ではなぜ、自然界ではあたりまえに行われている戦争・戦闘を
人間は嫌悪するのか?というところにフロイトは答えを求めようとします。
フロイトはその答えを「文化の発展」へもっていきます。
文化が発展することで、ストレートな本能的な欲望に導かれることが少なくなったと。
文化が発展すると、子供を産む人が減るという現象を例にして説明しています。
文化が発展すると、欲動をコントロールしようとし
攻撃本能を内に向け始めるというのです。
攻撃本能を内に向ける、というのがよくわからないのですが
簡単にいうと「自己破壊願望」や「性欲の抑制」なのでしょうか。
ここはよくわかりませんでした。
簡単にいうと文化が発展し、精神レベルが成長し(昔の人類とは異なった脳をもつ)
人類全体が暴力というものを本能レベルで認めなくなったときに戦争はなくなるのだと考えたようです。
だから今すぐにはなくならないであろうと。
人の心を研究し続けてきた、フロイトの戦争論はとても参考になりました。
私は人類は精神的な成長を加速させていると思います。
特にインターネットの普及が重要だと思います。
インターネットで人々の思考がつながっていく様は