漢方医の日記

平凡な毎日をいかに楽しく過ごすか。本の紹介を中心に、学び・健康・東洋医学・ライフスタイルなど色々。漢方大好きおじさんのブログ。

コラム⑰ 無駄な医療費を考える ~入院編~

医療費は国民の保険料・税金・自己負担で賄われています。

H28年度の国民医療費は42兆円です。

 

年々、保険料・税金・自己負担額が増えていっています。

税金・保険料は源泉徴収されています。

そのため、増税の実感がないかもしれません。

 

無駄な医療は控えて、良質な医療を提供したいと皆が考えているはずです。

 

しかし構造上、無駄な医療費は多くあります。

まずは入院費です。

 

不必要な入院

 

病院の収益の柱は、入院収益です。

開業医は外来収益です。

 

全国に病院は約8000ほどあります。(開業医は約10万)

 

病院はなるべく入院患者を増やすことが、一般企業でいう本業という事になります。

医療費が最も使われている部分が入院費です。

 

入院する人は多くが高齢者で、介護が必要なひとです。

病気の治療は、1週間以内にほとんどの場合終わります。

しかし、退院ができません。

入院中に体力が低下するためです。

 

入院するとより元気になると考えている人が多いですが違います。

分かりにくいので、数字で表してみましょう。

 

元気な時の体力を100とします。

病気になると50くらいになります。

入院すると70くらいになります。

 

私たち医療スタッフは全力で50を70にする使命があります。

しかし100や120にはできません。

 

120にはならないのです。

120を期待している方も多いです。

申し訳ないですが青い鳥です。

 

となると、元気な時でも介護が必要だったのに

入院するともっと介護が必要となります。

 

家族は元気になることを期待しているのと

介護負担からの解放で入院継続を希望します。

 

病院としても、入院継続は収入に直結するので希望があれば継続します。

病院は本来、病気を治療するところですが、

多くの病院は今は介護をするところになりました。

 

病院の介護施設化が最も医療費を使っていると思っています。

 

急速にその傾向が進んでいます。

 

患者・家族-病院ではWin-Winとなっていますが、国民はlose(増税)になっています。

 

国・厚生労働省からは「早く退院させなさい」というお達しが来ます。

言っていることはもっともですが物理的に無理なのです。

 

延命治療の医療費押上げ効果はそんなに多くないと思います。

介護力不足により虚弱高齢者を見る事ができなくなったことが、医療費全体を引き上げていると思います。

 

では老人ホーム・介護施設に行けばいいではないかと思われるかもしれません。

そうすると今度は、介護保険料が上がります。

 

患者・家族-介護業界はWin-Winですが国民はlose(増税)です。

 

ただ、入院するよりも介護施設で過ごすほうがお金はかかりません。

国・国民としてはWinです。しかし、介護士の給料は低いままでloseです。

 

どこかの仕組みをいじくれば、誰かに痛みが来ます。

 

しかし無駄な医療費という視点で述べれば、早期に介護施設や老人ホームに退院するということが、社会保険料(医療費・介護費・年金)圧縮にはつながります。

 

徐々にその傾向は強くなってきていますので進んでいる方向は間違っていないと思いますし、国や役所も優しいと思います。

しかし、スピード感は遅いと思います。

スピード感が遅いので、変化している感覚がないかもしれません。

 

スピード感が遅いため財政がもつのかどうかが一番気になるところです。