57冊目は枝廣淳子さんの 「アニマルウェルフェアとは何か」です。
アニマルウェルフェアとは何か――倫理的消費と食の安全 (岩波ブックレット)
- 作者: 枝廣淳子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2018/08/08
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る
アニマルウェルフェアという言葉を始めて聞きました。
書店にぶらりと入り、たまたま目にとまりました。
帯の部分に 「私たちの食べている卵や肉は、どのようにつくられているのか?」
とあります。
アニマルウェルフェアは「animal welfare」と書きます。
「動物福祉」と訳されるようです。
私たちが普段食べている、卵・鶏肉・豚肉・牛肉がどのように生産されているか?
どのような環境のもとで飼われ、運ばれ、殺されているのか。
普段考えることはありません。
一言でいえば劣悪な環境なのです。
最終的には人間に食べられます。
しかし、食べられるまでは動物らしく生きるべきだという北欧スウェーデンから始まりました。
その始まり方、理念が面白いです。
スウェーデンに児童文学作家のアストリッド・リンドグレーンさんという方がいます。
非常にスウェーデン国民に愛されていたようです。
彼女がどんな形の虐待もなくしたいと、
スウェーデンでは1979年に学校だけではなく家庭でも体罰する法律ができました。
「しつけ」と言われて行われる体罰も禁止ということです。
その流れで動物への虐待もなくしたいということでアニマルウェルフェアにも取り組みました。
1988年に畜産動物のための法律ができ、「季節のよい時には外で放牧すること」と決まりました。
「幸せに生きた動物をたべることで、私たちも幸せに生きる」という理念があります。
流通・小売り業界もそのように育てられた動物を取り扱うようになってきています。
投資家も、そのように育てられた動物を取り扱う企業に投資するようになってきています。
賛否両論はあると思いますが、世の流れであることは間違いないでしょう。
知らない世界を勉強できました。
新聞・ニュースでもこれからは「アニマルウェルフェア」というキーワードが目に付くようになりそうです。