52冊目は岩崎鋼さん、野上達也さん、吉澤和希さん共著の
「正直なところ漢方って本当に効くの?と内心思っているあなたへ」です。
内科医のための漢方診療 正直なところ「漢方って本当に効くの?」と内心思っているあなたへ
- 作者: 岩崎鋼,野上達也,吉澤和希
- 出版社/メーカー: 金芳堂
- 発売日: 2018/12/07
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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専門書になります。医師向けの本です。
簡単な解説本かとおもって手にとってみると予想以上に面白かったです。
私は漢方医を目指しています。
臨床をしていて正直なところ
漢方が効いたのか
漢方も効いたのか
自然治癒したのか
分かりません。
人間病気になるときは様々な事が原因となりますので
漢方飲んだ→治った とは単純な構図にはならないように思います。
このような単純な構図でよくなる人は10人に1人くらいかなと思います。
本書の特徴ですが、漢方を始めて数年し中医学にも興味をもってきた方向けと思います。中医学の理論もごく簡単に紹介されております。
pubmedでのエビデンス検索も紹介されており、筆者は大変だったろうなと思います。
それだけ、有益な情報が詰まっています。
日本ではエキス剤が流通しており、ツムラさんが有名です。
ただエキス剤の功罪もあります。
罪の部分は
理論(基礎)を知らなくても処方できる事(ほぼ素人と変わりありません)
エキス剤はキレが悪い事 です。
自分や家族が漢方エキス剤を飲むときは通常量の2-3倍を飲みます。
中国はエビデンスもたくさん出し、中医学を世界へ広めんとしています。
国家戦略を持っています。
中国では免許も中医師(中医学)と西医師(西洋医学)に分かれておりお互い不可侵です。
どちらがよいとは一概に言えませんが、戦略と目的を持って中医学を研究しています。
新しい治療法も研究されており、今は癌領域での研究が盛んです。
一方、日本漢方はほとんど発展していません。
去勢された状態といえます。
東洋医学は上手に使えば病気を治し、進行を緩やかにし、健康を維持する事ができると思います。
中医学の世界に片足を突っ込んだ人向けです。