49冊目は 長尾和宏さんの「痛い在宅医」です。
ある家族の一事例を提示しています。
在宅医療のリアルが書いてあります。
国策として在宅医療は推進されていますが、正しい方向と思います。
外来通院できる年齢は80歳がピークです。
その後は施設へ入所するか、入院するか、在宅医療を受けるかになります。
在宅医療はその人らしい最期が過ごせるという正の側面と
人的資源が少なく、家族の負担がどうしても大きくなるという負の側面があります。
この本は負の側面から在宅医療のリアルを書いています。
ご家族の期待値が高いと、結果に満足いかないという事があります。
結局、残された家族は苦しみますがそこには良いも悪いもありません。
医療現場で誰もが不幸になるパターンがあります。
それは中途半端な情報と思い込みです。
中途半端な情報から物事を選択する事ほど不幸なことはありません。
在宅医療は選択肢の一つです。
在宅医療はいい面も悪い面もあります。
在宅医療にこだわり不満だけを残された家族もいました。
本人の意見と家族の意見が違うことの方が多いです。
残念ながら優先されるのは家族の意見です。
本人には判断能力がないことの方が多く、介護をするのは家族だからです。
これがリアルワールドであり、本人の意思尊重といわれますが
現実にはほとんど尊重されていません。
やはり重要になるのはアドバンス・ケア・プランニングになります。
判断力があるうちに、ご家族と自分が受けたい医療や介護について話あっておくことがとても重要です。
それを行わないという事は、すべての判断を代理のものに任せるということであり
自分では望まない医療・介護を受ける事になるでしょう。
30代からアドバンス・ケア・プランニングをしておく事が大事と自分は思います。