漢方医の日記

平凡な毎日をいかに楽しく過ごすか。本の紹介を中心に、学び・健康・東洋医学・ライフスタイルなど色々。漢方大好きおじさんのブログ。

億男

42冊目は 川村元気さん著 文春文庫出版 「億男」です。

2014年に単行本として出版されています。

 

億男 (文春文庫)

億男 (文春文庫)

 

 

主人公は一男という30歳後半の男です。

大学を卒業をして15年後の設定なので37歳くらいと思われます。

弟が借金をし、失踪したことで一男が肩代わりする事になります。

妻と娘一人の家庭は次第に「お金」がない事で歪んでいきます。

 

バレエを習いたいという娘。

生活費を切り詰めてまで、高い授業料を払えないという一男。

娘の「やりたい」を応援したい妻、万佐子。

 

意見が食い違い、別居となります。

一男は昼は図書館司書で夜はパン工場で働き、パン工場の寮で生活します。

「お金」をためて、借金を返し、娘のバレエ代を払い、また3人で過ごすことを夢見ます。

 

そんな中、3億円の宝くじが当たるという設定です。

一男はかつての大学の友人、九十九に3億円をもって会いに行きます。

九十九は大学の時「お金と幸せの答えを見つける」といいモロッコに旅に出ました。

 

一男が九十九に会いに行った目的は「お金と幸せの答え」を聞くことです。

 

九十九は大富豪になっていました。

九十九と乱痴気パーティーを行い、翌日に九十九は3億をもって一男の前から姿を消します。

 

九十九を探すために九十九のかつての同僚たち3人を訪ねます。

皆、「お金持ち」です。

「お金」との付き合い方は皆それぞれです。

「お金」に対する価値観も皆違います。

 

最後に九十九にたどり着きます。

「なぜ、3億をもって姿を消したのか」、その理由を教えてくれます。

 

印象に残ったのは、3億を得たあとの妻、万佐子とのやり取りでした。

これで3人また一緒に暮らせると思っていたのに、離婚を突き付けられます。

一男がかわいそうでした。

結果的には愛情を「お金」で取り戻そうとしてしまいます。

 

大人の女性は2人出てきますが、かわいくは書かれていません。

理解不能なポジションにいます。

 

男は4人登場しますが、こちらは理解可能な事をしています。

 

「お金」を語るときはどうしても男目線になるのではないかと思いました。

男のほうが「お金」に執着をしている気がします。