「麻原彰晃の誕生」です。
地下鉄サリン事件が起きた時、私は中学2年生でした。1995年3月です。
1995年1月には阪神大震災が起きています。
大天災と大事件が起きた年として記憶に残っています。
2018年7月にオウム死刑囚13名の執行が行われます。
これは麻原彰晃の伝記です。
犯罪者の伝記を読んだのは初めてです。
なぜあのような大事件を起こしたのか。
したことは人間的ではないですが、麻原彰晃は人間です。
一歩間違えば誰もが陥る「人間の負の部分」を顕わしてしまった人間でもあります。
生い立ちや事実を述べ、関係者に取材をしながらストーリーは進みます。
生い立ちから始まります。貧困、片目失明、親からの愛情不足など確かに不遇な少年時代を過ごしています。
少年・青年時代には医師、弁護士、政治家を目指していました。
どれも成就することなく最後は宗教家へとなっていきます。
ダライ・ラマにも会っているという事は驚きでした。
日本のチベット仏教支部からチベットの本部へと紹介をされています。
真面目に修行をしていた時代もあったようです。
宗教家として、メディアを使い始めます。
週刊誌「プレイボーイ」
オカルト雑誌「トワイライトゾーン」
オカルト雑誌「ムー」
へ取り上げられていきます。取り上げられるというよりかは取材をしてくれと直接頼みに行きます。
若者への影響は大きかったようです。教義を説くだけでなく、解脱の方法まで教えてもらえるというところが他の新興宗教とは違ったようです。
取材を丁寧にして書き上げられています。
平成最後の年だからこそ、目を背けてはいけない事実です。
「人間の闇」の部分がドロッとでてきているわけなので気持ちは不快になります。
楽しんで読むというよりは、「知っておかなければならない」という気持ちで読みました。