38冊目は こだまさん著、講談社文庫出版、「夫のちんぽが入らない」です。
流行本ではあります。
タイトルが気になって気になってしかたがありません。
内容の予想がつかないのです。
書店に立ち寄りおすすめ本の一番初めにおいてありました。
レジに持っていくのは少し恥ずかしい。
アマゾンで買えばいいではないかと思われますが、それでは自分に負けた気がします。
勇気をもって買いました。
内容はシビアです。しかし、ユーモアがそれに打ち勝ちます。
私小説ということでほぼ実話なのだと思います。
ほかの人の「ちんぽ」は入るのに、夫の「ちんぽ」だけが入りません。
夫は妻にだけ「ちんぽ」が入らず、ほかの人には入ります。
不思議な事ですが、それが主題となりながら仕事、子供のことで悩みます。
ハッピーエンドでもバットエンドでもなく終わります。
個人の私生活をこんなに覗き見してもいいの?と言いたくなるくらい暴露しています。
世間的には恥ずかしい部分を暴露しています。
他人のことではなく、自分の事です。
なぜかピース又吉の「火花」と太宰治の「人間失格」が思い浮かびました。
同じ事で悩んでいる人には心の救済となるような本です。
「子供を産まなくてはならない」という考えは、今では価値遺産となりつつあります。
江戸時代は「農民の子は農民である」といった絶対的価値がありますが現代でその価値を信じている人はいません。
昭和・平成時代は「人は結婚するもので、結婚したら子供をもつべきである」という価値があったと思います。100年後その価値は「あらら・・・」になっているのでしょうか。
文学作品として、後世に残ると思います。