2008年に出版されています。
「深夜特急」は1974年沢木さんが26歳の時に香港からロンドンまでの紀行をノンフィクションでつづっています。
当時はアジアを旅している若者は日本人ばかりだったようで、ヨーロッパからアジアへ旅行するのが主流だったようです。
「深夜特急」は旅が終わって7-8年経ってから新聞連載という形で書かれます。
そして大沢たかおさんが主演したドラマ「深夜特急」が放送されたのが1996年です。
当時、「進め電波少年」で「猿岩石」が香港からロンドンまで10万円のみ渡されヒッチハイクで旅するという番組が爆発的ヒットしました。
私も当時ヒッチハイクにはまっていましたが、乗せてもらった人に「猿岩石の真似をしてるの?」と聞かれたものです。
私がヒッチハイクを始めたのはシェルパ斎藤さんの「行き当たりばっ旅」の影響を受けての事でした。
実はその「猿岩石」企画のもとが「深夜特急」だったようです。びっくりです。
大沢たかおさんのドラマ「深夜特急」が逆に真似をしていると思われたようです。
「深夜特急」の旅に出るまでの過程、旅中に思っていたこと、旅後の心境がつづられています。
沢木さんの人生(物語)における「旅」の位置づけが惜しみなく書かれています。
「旅」は定義できるものではなくヌルヌルと形を変えるものだと思います。ただ、その当事者にとっては人生におけるターニングポイントになることは確かでしょう。
「深夜特急」は古典であり、文学であると思います。