7冊目は高橋大輔さんの「漂流の島」です。
高橋大輔さんはロビンソン・クルーソーの実在モデル・アレクサンダー・セルカークの住居痕を見つけた方です。
初めて高橋さんをしったのは、その軌跡を紹介したクレイジージャーニーという番組です。世の中には変わった人がいるなというのが第一印象でした。
その番組のなかでも特に印象に残っていました。ロビンソンクルーソーという誰もが知っている小説の実在モデルの住居痕を見つけようという人がいるでしょうか。そこにロマンと探検心をもって解明していくという、単純な探検(秘境を彷徨うような)ではない探検があるのだと初めて知りました。
高野秀行さんが日本には3人の探検家がいると述べており、その一人が高橋さんでした。気になり著作を読んでみようと思ったわけです。
鳥島という東京都から約600㎞ほど南にある無人島が舞台です。過去、漂流民がなんどとなく漂着します。最長19年、その島で生活します。漂流民の多くは江戸時代の文献に出てきます。ジョン万次郎も漂着します。十五少年漂流記やロビンソン・クルーソーは人間にスポットが充てられていますが、このお話は島にスポットが充てられています。
そして、絶望の中でも他人を思いやる気持ちをもっていた人がいた事、規律を決めリズムをつけることで絶望を希望に変えていく力など人間のよい部分をあぶりだしていきます。鳥島を舞台とした小説から、漂流民の心情を探るという試みもすごく新鮮でした。
小説ってそういう読み方もあるんだと新たな発見がありました。
こんな素晴らしい本を発見してしまったという、感動があります。だから読書はやめられないなと思いました。
読書を通じて発見をして、視点が増え、物事の奥深さをしる事ができる作業が楽しいですね。